学問・資格

2012年12月27日 (木)

意外と多く聞かれる質問

「マッサージと指圧の違いって何ですか?」

と、たまに聞かれることがあります。

あん摩マッサージ指圧師になるための、国家試験にも出るような質問です。

国家試験に合格するような回答をするなら……

マッサージの起源はヨーロッパで、明治20年代に日本に入って来ました。皮膚の上から、求心性に(心臓に向かって)施術します。

指圧の起源は日本で、あん摩や導引(あん摩の源で、古代中国で生まれた呼吸法と体操法)や柔術の活法やアメリカの整体術が混ざって体系化し、大正時代に指圧法として統合されました。
衣服の上から遠心性に(心臓から末梢に向かって)施術します。

ちなみにあん摩の起源は中国で、「導引按きょう」と古代中国で呼ばれてた施術法が、日本に渡来し、あん摩として定着しました。
奈良朝時代に医療の一分科として位置づけられました。
衣服の上から遠心性に施術します。

この違いが、国家試験で問われるので、専門学校で勉強します。

手技の違いはそれぞれありますが、分類しててもきりがないのでやめておきます。


国家試験のための模範的な違いを述べてみたが、実際の現場では、上で述べたマッサージではエステのお店でやってることがマッサージになりますね。

ほとんどの国家資格を持った人は、衣服の上から施術する店で働いており、エステでは働いてないですね。
そもそもエステで働いている人はエステティシャンと呼ばれ、あん摩マッサージ指圧師の資格など持っていない。


実際の現場では、マッサージ系のやり方でやって欲しいとか、指圧系のやり方でやって欲しいとかお客さんの要望がありますが、マッサージ系でやるなら服を脱がさなければならない。
しかしお客さんが意図するマッサージ系とは、リズミカルというか、テンポのよい押し方であったり、指圧系ならジワ〜っとゆっくり押すやり方を指しているのが一般的です。リズミカルな押し方は、本来はあん摩系の押し方になります。


専門学校で学ぶような基本的な知識は、一般的に知られてないことはよくあるし、勘違いされて理解されてることもあります。

そもそもマッサージを施術する人は、身に付いた技術はそれぞれ違うので、人によってあん摩やマッサージや指圧の手技が入り乱れています。
どんな系統の押し方なのか区別するのは難しいかもしれません。

結局、施術を受けてみないと自分に合うか合わないか、上手いか下手かはわかりませんね。

いろんな情報がある中で、正しい知識や現実の矛盾点を見極められるかはその人次第ですね。

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2012年9月 2日 (日)

マッサージするなら資格が必要

新聞の折り込みチラシに、こんな求人広告がありました。

「全国で2600名のセラピストが活躍中!!あなたも未経験から始めませんか!」
仕事内容はボディケア、リフレクソロジー、ハンドリフレクソロジー、フェイスセラピーとなっている。

何ともおしゃれそうな名前の仕事内容である。

これってマッサージをする仕事?


いえ、いえ。

マッサージを仕事としてするなら、国が認定する専門学校に3年間行かなくてはいけません。そして、卒業すると国家試験の受験資格がもらえて、国家試験に合格すると、「あん摩マッサージ指圧師」の資格がもらえるのです。

果たして、ボディケア、整体、マッサージの違いを理解してる人はどれくらいいるのであろうか?

さらに求人広告にはこんなことが書いてある。

「35日間の無料研修あり」
え〜!

35日間で技術が身に付くなんて、素晴らしい。

私なんか専門学校に行って、その後3年近く住み込みで技術を勉強してきたのに。

そんな短い期間で技術が身に付くなら、ボディケアの先生に教えてもらいたいものである(>_<)。

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2011年3月 2日 (水)

楽しんごは捕まるか?

最近、お笑い芸人の楽しんごがブレイクしているが、彼は整体師であってあん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っているわけではない。だけどマッサージが得意だと堂々と話している。
法律では、医師以外の者があん摩、マッサージ、指圧を業とするには厚生労働大臣からあん摩マッサージ指圧師免許を受けなければならない。免許を受けないで業を行えば、30万円以下の罰金に処されることになる。と決められている。
テレビで堂々と言ってて、よく捕まらないなぁ〜と私は思うのである。整体と言いながらマッサージと変わらないことをしている映像を流しているのである。
しかも彼はお笑いの仕事をしながら、整体の仕事もしていると堂々と言っている。
「あん摩マッサージ指圧を業とする」とは反復継続の意思をもって施術を行うことであり、その施術の対価として報酬を目的とし、またはこれを現実に受けたか否かは問わないのである。
わかりやすく言うと、無資格で、さぁ、これからマッサージを仕事としてやっていこうという意思を持って、初めて1人目の客をマッサージしたとする。その時点で違法になってしまうのであります。金をもらったから、もらわなかったかは関係ないのであります。反復継続の意思があって報酬を目的とし、施術したから違法になるのであります。
数人に施術したから違法になるとか、1人に対して数回施術したから違法になるとかではないのであります。
反復継続の意思があって報酬を目的とし、初めての人を1回施術した時点で、金をもらう前に違法になるのであります。

整体という看板で、マッサージしている違法な所はたくさんあるけども、テレビで堂々とやってたらさすがの厚生労働省も動かざるを得なくなるのではないか?…。

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2010年12月12日 (日)

広告制限のわかりやすい例

前回書いた、薬と健康食品は法律で広告の制限の違いがあるように、「あん摩マッサージ指圧師」と「整体師」でも広告の制限に違いが出てくるのであります。

以前に書きましたが、国家資格である、「あん摩マッサージ指圧師」は虚偽誇大な広告を防ぐために、広告の制限が法律で定められてます。
私は虚偽誇大な広告など、するつもりはないのですが、マッサージという商売をする上で、私の店を知ってもらう必要があります。知ってもらって、そこから先はお客様で選んで下さい、と考えています。

私は以前に、だいたいの人は知っていると思う「ホットペッパー」という、フリー雑誌に掲載しようとしたことがあります。
それで私は、虚偽誇大な広告をするつもりはないけども、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格がある以上、法律に触れないように広告できますか?と、ホットペッパーの担当者に聞いたことがあります。
その担当者はあっさりと大丈夫ですよと言って、掲載したことがあります。
しかし掲載してすぐに担当者から電話があり、「上司からやはり、法律に触れるかもという話になり、今回は契約をして掲載してしまった以上、しょうがないということになりました。」と、言われてしまいました。
さらに担当者は話を続けて、「やはり、店の名前に『指圧』という字が入るとまずいらしいんですよね。次回から店の名前をちょっと変えて、掲載をしませんか?」と言うのであります。
バカげた話です。私の店の名前を変えろと言ってるのです。私は怒りを越えて、あきれてしまいました。

もう1つおもしろい話があります。
「ぱど」というフリー情報誌があります。その時も、ぱどの担当者に掲載して大丈夫ですか?と聞いて、大丈夫ですよと言われて掲載したことがあります。
しかし掲載してすぐに担当者から電話があり、「上司からちょっとまずいと言われまして、割引とかはまずいらしいんですよ。第三者がお店を紹介するという形で記事を書いて、枠を区切って出せば問題ないですよ。それで、その第三者は企画会社にして、一応連絡先も書かないとまずいので、自宅の電話番号を載せてもらえますか?」と言うのであります。私は、自宅の電話番号を載せるのは抵抗あるし、どうせダミー会社なんだから、適当に電話番号を載せても大丈夫なんじゃないの?と、聞いても、それはダメと言うのであります。
しょうがないので、そのようにしたら、そのダミー会社に、店の電話番号と間違って、何件か予約の電話が入るのです。
私はそんなややこしいのは嫌いなので、もう掲載はしてません。

私は虚偽誇大な広告をするつもりはないのです。いかにも私の店に来たら、みんな良くなります、なんて広告は考えてないのです。
真面目に国家資格を取っても、これが現状なのです。
整体師は違うのです。国家資格もありません。国の認めない学校で勉強して、もしくは講習会で勉強して、もしくは何も勉強しなくても、整体師になれるのです。それで広告の制限などないので、いくらでも広告できるのです。いくらでもみんな良くなるなんて広告ができるのです。
私は、まともに広告もできない日本の現状を不思議に思うのです。そしてそんな現状を、一般の人が知らない現状を不思議に思うのです。

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2010年11月24日 (水)

何故、あん摩マッサージ指圧師の資格がなくてもマッサージ的なことをしても許されるのか

前回は、医師以外で、あん摩マッサージ指圧師の資格がなければ、マッサージを業とすることができないと法律で決まっているけど、マッサージ的なことをしているマッサージ関連の仕事がいろいろあることを書きましたが、何故、そんなことができるか話してみたいと思います。 そもそもマッサージ的な施術に限らず、医業類似行為(医師の医療行為に類似した行為)を行うことができるのはあん摩マッサージ指圧師、針師、灸師、柔道整復師の国家資格を持った者と法律で定められてます。しかしながら現実は、民間療法と総称され、国家資格のない、いろんな店があります。それらはマッサージの定義がはっきりしていないため、医療類似行為ではなく、ボディケアだという理屈や、人体に無害である限りは職業選択の自由があるという理屈が、マッサージという定義がはっきりしてないためにまかり通っているということなのです。法をかいくぐる理屈で何でもできてしまうのです。 健康産業というのは、誰もが健康でいたいと思っていますので、需要はたくさんあります。いかに体に良いか、いかに体が楽になるかと、広告で訴えて来ます。だからそれらの情報をいろんな角度から客観的にみることが大事なのです。

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