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2024年11月 2日 (土)

ツボについて

 一昨日、NHKのトリセツショーという番組でツボについて話してました。

 WHO(世界保健機関)では、科学的根拠のよくわからない東洋医学の「ツボ」を認定しているので、怪しい治療ではないですよ。と、言ってましたが、どう思います。

 私自身は怪しい治療と思っていません!。

 でも、この番組の情報発信の仕方は誤解を生むと思います。

 WHOは、東洋医学の文化的な長年の経緯と、長年の治療の実績を認めています。そして、「ツボ」を認定してますが、「ツボ」という存在を科学的に証明できるものとは言ってません。

 そもそも「ツボ」とは何かを知らないと理解できないですよね。

 東洋医学の根底には哲学・思想があります。世の中のすべての物は「気」によって構成され、あらゆる物事は「気」の運動変化によって生じるものである。まさに哲学・思想ですね。

 人体にも「気」が構成されているということです。人体には「経絡」というパイプみたいなものがあり、「経絡」の中を「気」、「血」、「津液」というものが流れてます。「経絡」というパイプみたいなものが全身にはりめぐらされていて、全身を「気」、「血」、「津液」が循環して体の機能を調節しているという考えです。体に異変があれば、「経絡」上に反応が現れる場所を「経穴」と言い、治療ポイントにもなります。この「経穴」が「ツボ」ということです。

 この「ツボ」の存在を証明できるでしょうか?哲学・思想から生まれた「ツボ」ですが、後に科学が進歩して、この物質なり、この部分が「ツボ」だとわかったのでしょうか?こんだけ科学が発展した現代でさえ、解剖学的にその様なものは見つかっていませんね。

 まず真実の情報が大切ですよね。

 そもそも専門学校では、「あん摩・マッサージ・指圧理論」という授業で、「ツボ」ではなく、「体」を押したりする刺激療法が、筋肉や神経系や血管・リンパ管などにどの様な作用があるか?などの科学的な効果を勉強したりします。基本的な「解剖学」や「生理学」の授業もあります。「東洋医学一般」の授業では、東洋医学的な人体の哲学・思想の考え方、もちろん「ツボ」の場所や効能も勉強します。

 独特の哲学・思想を持った人体観である東洋医学と、科学的根拠に基づく西洋医学を専門学校では勉強するんですよね。

 この番組は、一見、東洋医学と西洋医学的な考えを平等に扱っているようで、扱っていないと感じます。「ツボ」を押すと効果があるんだ!「ツボ」についての新情報を見てくれ!との匂いがプンプン出てます。

 カリスマ先生みたいな人も出てましたが、ツボを押しただけで悪い所がわかってしまうと、いかにもツボのすごさをみてくれ!という感じですが、そもそもその人の顔色や姿勢や歩き方なども診断の要素になりますし、何気ない会話から診断の要素が見つかることもあるし、このスマホやパソコン社会で、目が疲れてますね!と、言ったらかなりの確率で当たりますよね。ストレスがありますね!と言っても、かなりの確率で当たりますよね。

 わざとひねくれた感じで書きましたが、私達の様に、専門学校で、独特の哲学・思想を持った人体観である東洋医学と科学的根拠に基づく西洋医学を勉強してないと、ついつい情報を鵜呑みしてしまう危険があるのです。

 東洋医学の神秘性やカリスマ先生好きな人は、簡単に騙されてしまいますよ。

 美容鍼なども紹介してましたが、ここ最近マスコミでもてはやされてるけど、治療的に針治療するより、美容に効くと宣伝すれば、若い女性も来て儲かりますよね。治療的な針治療だけしてたら、若い女性のお客さんはなかなか来ないですよね。「小顔矯正」は最近あまり見なくなったけど、消費者庁が「小顔矯正」は科学的根拠がないので気をつけましょうと勧告しているのに、まだ信じてる人もいますよね。

 あえて、ひねくれて物事を見ることも大切ですよ。

 

 

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